声優志望が絶対に同人声優をやってはいけない4つの理由
このページで分かること
あなたが声優志望なら、絶対に同人声優を始めてはいけません!
私は同人声優をやっていて、同人声優を始めようと思っている人を全力で応援しています。
しかし、唯一、同人声優になることを応援できない人がいます。
それが声優志望の皆さんです。
え?声優志望だったら勉強のためにたくさんの経験があった方が良いんじゃないの?
それが違うのです!!
今回は声優になりたいなら同人声優を絶対やらない方が良い理由を書いていきます。
同人声優をオススメしない理由
楽しいから
どうして楽しいことをすると、声優になることの邪魔になるでしょうか。
「常にストイックであれ!」という意味ではありません。
逆に役者になるためには楽しいことも多く経験していた方がプラスになりますしね。
では、どうしてでしょうか?
これについては私が養成所の講師の方に言われたことです。
同人活動をやっていると、自分を認めてくれる人がたくさん出てくる。
人間、楽な方に傾きたくなる。
自分の否定ばかりしている養成所・講師の言うことより、ファンの人の意見を重要視するようになって、成長しなくなる。
おそらく、講師の昔の生徒さんにそういう方がいたのだろうなぁ・・・と思います。
養成所(に限らず修行中の時間すべて)では、自分を肯定されることは少ないです。
悪いところを修正して、より良くしていく時間なので褒められることはあまりないです。(あれ?褒められなかったのは私だけではないです・・・よね?)
それに比べて、同人活動をしているとみんなが褒めてくれます。
「次の出演作も楽しみしています!」
「頑張ってください!」
「今作の演技、最高でした!!」
というお褒めの言葉をバンバンいただきます。
(アンチがいないとは言いませんが、弱小同人声優の私はその標的になっていないです。)
そうなると、楽な環境に身を置きたくなるのが人間というもの。
私って、なんで声優になりたいんだっけ?人気が欲しい?それならもう叶っているんじゃない?
自分を認めてもらえるところで活動した方が良いんじゃないか?
などと、目標を見失い、プロ声優への道を諦めてしまうことも。
同人声優はとっても楽しい!
だからこそ、プロ声優とは全くの別物!!
プロ声優になるための気持ちを揺らがせてしまう喜びが同人声優にはあると思います。
将来をつぶすことになりかねないから
声優はお客様ありきのお仕事です。
お仕事の先には必ずお客様がいます。
お仕事をする際、どんなに芝居がうまくてもお客様にとって不都合な事情があればキャスティングされません。
例えば、以下のようなパターンを考えてみてください。
例1:トラブルの相手とお仕事をしていた
あなたは同人声優として、とある同人音声サークルへ音声提供をしました。
まだサークル結成して間もない無名のサークルさんです。
作品の内容もオリジナルのクリーンな作品で問題があるようには思えませんでした。
あなたは何度かサークルの作品に協力しました。
月日は流れ、5年後。
あなたは声優事務所に所属して、あるアニメに出演することになりました。
ついに夢が叶う!と思ったのもつかの間。
事務所から連絡があります。
「あなたがお客様とトラブルを起こしている団体と付き合いがあることが分かって・・・。今回のキャスティングを見直したいって・・・。」
話を聞くと、同人声優時代に声を提供したサークルはあるときから二次創作を始め、その件でお客様とトラブルになっていたのです。
あなたは昔のことだし、自分は二次創作に関わっていないと言いました。
しかし、お客様は快く思わず、キャスティングはやり直しとなり、あなたが選ばれることはありませんでした。
例2:R18作品への音声提供
あなたは同人声優として成人向け音声作品に出演することにしました。
これまで別のバイトもしていましたが、
オーディションで急に休まなくてはならなくなった場合に迷惑をかけるのがつらく、自宅でできるアルバイトとして同人活動を始めることにしました。
この活動が世に出ないよう「個人で楽しむため」「公開しない」という条件をつけ、活動の際の名前も実名ではない名前で活動することにしました。
月日は流れ、5年後。
あなたはあるアイドルアニメの主役に抜擢されます。
ついにここまで来た!と思っているあなたは、ある動画を見かけます。
「○○(あなたの名前)の×××な音声♪」
昔、公開しないと約束して渡した音声がYouTubeにアップされているのです。
この動画の存在を知ったお客様は、アイドルとしてふさわしくない活動をしたとして、あなたをキャスティングから外しました。
どうでしょうか。
このように、同人声優として納品した声は自分が管理できないところに残っていくことになります。
声優事務所を通して得た仕事であれば、自分に届く前に仕事内容や人間関係などがチェックされることもあるでしょう。
しかし、同人声優はそれを自分で管理していかなければいけません。
また、今と未来は状況が変わったり、公開しない約束が守られないリスクもあります。
そのようなリスクを負わないためにも、同人活動はオススメしません。
ダメ出し、ディレクションの相手がプロではないから
ネットで「同人声優をすると変なクセがつく」って見たことありませんか?
「独学で練習しない方が良いの?」問題ですね。
※これから書くことは管理人の主観と偏見です。一つの意見だと思ってください。
同人活動で作品を作っているのはアマチュアの方が多いです。
もちろん、演技についても素人です。
ということは「ダメ出し」の質もプロとは変わってきます。
私がされたダメ出しとして以下のような例がありました。
「もっと可愛い声でお願いします」
養成所などで演技を勉強されている方なら分かると思うのですが、
演技に対してのダメ出しではなく「言い方」に対するダメ出しなんですよね。
声優の演技は、最終的には「声」で表現をすることになりますが、その声を出す「気持ち」が演技の本質だと思います。
なので、「声を可愛く」と言われたときに
可愛い声というと、もう少し年齢を若くということですか?
それともキャラの性格が違いますか?
と確認したのですが、答えは
可愛ければなんでもいいです。
でした。
どうでしょう?ダメ出しをする人が演技を知らない状態というのが伝わったでしょうか?
このようなダメ出しは養成所の講師は絶対にしないと思います。
もちろん表現の幅として依頼者さんの期待に応えようと努力することが全て悪とは言いませんが、もし、私が可愛い声を出す努力をしていると知ったら、養成所の講師からは
そんな売りものにならない声で演技するな。
と怒られるでしょう。
可愛いキャラをやるときに無理に作った声で演じるという経験が将来につながるものになるとは、私は思いません。
自分が未熟だから -あなたの演技で合っているのか、自身で判断できますか?-
養成所3年目の、にがぁぁい思い出です。
私は週1回、養成所に行っていたのでレッスンまでの1週間、みっちり自主トレをしました。
学生でお金がなかったので市立の公民館のような場所を借りて発声練習を行い、録音をしては聞き直し、先週、講師の方が教えてくださったことができているのか確認し・・・。
そして、レッスンの日。
演技をし終えた私に講師の方は一言。
全然ダメ。もう下がって。
えぇ、ショックでした。
本来なら、演技の後はダメ出しがあって、何度かやらせてもらえるのです。
それが全くなし。
これ以上、何を言ってもダメだと判断されたのでしょう。
何も言ってもらえなかったショック。
頑張った時間が無駄になったようなショック。
すっっっごくへこみました。
さて。どうして、この話をしたのかというと
「あなたは自分の演技が良いのか悪いのか自身で判断できますか?」という話なのです。
養成所で演技の勉強したくらいの私は、自分が良い演技を出来ているのか出来ていないのかが判断できませんでした。
そんな人がいくら自己流の自主練をしたところで、上手になるとは思えません。
「良い演技」「上手な演技」が分からないからです。
良くなったという感覚は妄想で、プロから見れば「全然ダメ」の方向に進んでいるかもしれません。
そもそも、台本を適当な(自分の中では完璧なできる限りの)練習をして上手になれるなら、養成所は不要だと思いませんか?
自分のダメなところをきちんと指導してくれるから、養成所や学校に価値があるのだと思います。
「良い演技」「上手な演技」が分からないうちは、自己流の演技練習は上手くなれるかもしれないけど悪い表現を何度も繰り返していることにもなりかねません。
悪い表現を何度も繰り返すことがプラスになるとは思えません。
さいごに
よくぞここまで読んでくださいました!!
どうでしょう?同人声優をやめておこうと思ってもらえましたか・・・?
もちろん、やるやらないはあなたの自由(養成所などが禁止していない限り)ですが、どうしようか悩んでいるならやめておくことをオススメします。
あなたの夢が叶いますように!